デジイチ買いました。

かねてから憧れていた“デジイチ”ことデジタル一眼レフを、ついに買った。
いぇーい。
ニコン D50ダブルズームキット ブラック【税込】 D50WK-K [D50WKK]

 ニコンのカメラといえば、サイモン&ガーファンクルのかたわれ、ポール・サイモン氏が『僕のコダクローム』という曲のなかで

  I got a Nikon camera
  I love to a photograph

  (ニコンのカメラを手に入れたんだ
   今、写真を撮るのに夢中さ)

と歌っている。
ということは、私もこれでポール・サイモン氏のカメラ仲間ってわけですな。

(なお『僕のコダクローム』はここで試聴できます。 ttp://wmg.jp/artist/paulsimon/WPCR000011991.html)



 私はカメラに関しては全くの素人である。
 が、今使っている“コンデジ”ことコンパクトデジタルカメラは起動に10秒ぐらいかかるうえに、内蔵フラッシュの充電にはさらに約10秒を要し、おまけにシャッターが切れるのも遅く(撮影感度の上限がISO160なので仕方ない)、とにかく使っててストレスがたまった。
 今回購入したニコンのD50は、起動時間がわずか0.2秒。内蔵フラッシュの充電時間は公表されていないものの、もたつく感じは一切なし。そしてシャッターが速いこと速いこと。撮影感度の上限はISO1600と、現有コンデジの10倍だし、何といっても撮影素子(CCD)のサイズが現有コンデジの4×3mmに対して23.7×15.6mm、実に面積比で30倍の差があるのだ。

 買ったばかりなので、まだ今のところその性能差をフルに活用できるほどの写真は撮れていない。室内で撮ったスナップ写真などは正直言って現有コンデジと大差ないかなと感じたぐらいである。しかし、屋外で望遠で撮った写真は、人物の描写の細かさと背景のボケ具合とがすばらしかった。手にした初日からプロっぽい写真が撮れて思わず興奮。「買ってよかった!」とつくづく実感した。

 購入に際しては、同価格帯のライバル機種であるキヤノンの『EOS Kiss デジタルN』、およびペンタックスの『*ist DL2』とじっくり比較して検討した。というか最初は『*ist DL2』を第一候補にしていたぐらいである。
 KissデジタルNは小型で軽量、800万画素、手軽にきれいに撮れる、暗所での撮影に強い、などといった点を売りにしている。しかしD50との比較を見るかぎりあまり差がない、というかむしろ私としてはD50のほうが好みの画質だった。KissデジタルNのCCDは22.2×14.8mmと、D50に比べてやや小さいので、そのせいかも知れない。
 それから手が大きい私にとっては、小型・軽量であることが必ずしもプラスにならないという面もあった。要するに持ちやすさの問題である。
 セルフタイマーが1種類しか選べない(10秒)のも不満だ。フラッシュを使わないで撮影するときなど、セルフタイマーを使う機会はけっこう多いので、これは困る。その点D50は2、5、10、20秒の4種類が選べるので便利だ。
 ペンタックスの*ist DL2はセルフタイマーが2、12秒の2種類。これはまあまあかな。
 画質やファインダーの見やすさ、操作性などはD50とだいたい互角といったところ。ただしボタンが少ないシンプルなデザインと、背面の液晶の大きさは*ist DL2のほうが優れていると感じた。
 そして*ist DL2はバッテリーが単三電池であるという点が何よりの魅力だ。旅先でバッテリーが無くなったとき、D50のように専用バッテリーだと非常に苦労しそう。(ちなみにKissデジタルNは別売のバッテリーグリップを付ければ単三電池も使える。) しかも専用バッテリーは値段が高く、予備にひとつ買おうとすると、メーカー希望小売価格で8,500円(税抜)もする。一方*ist DL2なら充電式の単三電池4本、100円ショップで買えば400円(税抜)だ。この差は大きい。
 というわけでかなり悩んだ。もはや自分では判断しきれないので、店員さんのアドバイスを求めた。それによると、デジタル一眼レフキヤノンニコンが圧倒的な二強時代を築いており、その中にあってペンタックスはやや出遅れた感が否めず、またコニカミノルタのように突如撤退する可能性もゼロとはいえないらしい。うーむ。
 そして私にとって決定打となったのは、「キヤノンニコンに比べるとペンタックスオートフォーカスはちょっと遅い」という情報だった。風景や静物を撮るならまだしも、私の場合は動き回る人物を撮るのが主な使途なので、オートフォーカスの速さは重視せざるを得ないのである。
 さらにダメ押しとなったのは、レンズ込みでの価格比較だ。D50に比べるとKissデジタルNのほうが約1万円高かった。*ist DL2はD50とほぼ同じぐらいなのだが、いま店頭に在庫が無いという。
 
 以上のような理由で、ニコンのD50に決めた。
 本音をいうと、*ist DL2の上位機種である*ist DS2もすごく気になっていた。ファインダーの見やすさが上記3機種とは段違いだと聞いていたからである。しかし、これまた店頭に在庫が無く、かつ予算オーバーなので、あきらめた。

 ちなみに、今回買った純正ダブルズームキット(18-55mm、55-200mm)のほかに、同じ値段でタムロン社の18-200mmのレンズとのセットもあった。これならレンズ交換の手間が省けるし、そのぶんCCDにゴミが付く可能性も減るので便利なのだが、その反面レンズの質は落ちるらしい(明るさとか、歪みの少なさとか)。そしてオートフォーカスの速度が少々遅い。ほとんど音も立てずにすばやくピントを合わせてくれる純正レンズの快感を知ってしまうと、ジッ、ジッと音を立てるタムロンの18-200mmレンズの遅さがどうしても気になった。そして店員さんも「このレンズは主に登山向きですね。動き回る子供やペットを撮るなら断然、純正ダブルズームキットがおすすめです。」とのことだった。
 
 D50の純正ダブルズームキットと、レンズ保護フィルタ2つ、そして512MBのSDカードを買ったら、予算(10万)を少々オーバーしてしまった。噂どおり一眼レフは金食い虫だ。今後はあまり道具に凝りすぎることなく、もっぱら腕前を磨くことを心がけようと思う。